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ドラマCD 這いよれ! ニャル子さんDX~ウインターウォーズ~ (2010/12/24発売) 主要Cast ニャル子さん ‥‥‥‥‥‥ 阿澄佳奈 八坂真尋 ‥‥‥‥‥‥‥‥ 喜多村英梨 クー子 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 松来未祐 ハス太 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 釘宮理恵 シャンタッ君 ‥‥‥‥‥‥ 金田朋子 八坂頼子 ‥‥‥‥‥‥‥‥ 井上喜久子 ルーヒー ‥‥‥‥‥‥‥‥ 國府田マリ子 ノーデンス ‥‥‥‥‥‥‥ 島田敏 ナレーション ‥‥‥‥‥‥ 古谷徹 目次 01.プロローグ 02.第一話 勝利への心構えその1・求人情報誌を読む事。 03.第二話 勝利への心構えその2・大会にエントリせよ。 04.第三話 勝利への心構えその3・手段を選ばない精神。 05.第四話 勝利への心構えその4・祈りなさい。 06.エピローグ ウインターウォーズ アニメ映画「サマーウォーズ」。 この気持ち、まさしく愛だ! (ケース裏) 「機動戦士ガンダム00」ファーストシーズン最終回での、乙女座の男グラハム・エーカーの名言にして迷言。 戦わなければ、生き残れない。 (ケース裏・あらすじ) 「仮面ライダー龍騎」の有名なキャッチフレーズ。 ――今度は戦争だ!(作者コメント) 映画「エイリアン2」のキャッチコピー。 映画版「家なき子」での安達祐実演じた主人公・すずの台詞の可能性は。 映画「バトルロワイヤルⅡ【鎮魂歌】」のキャッチコピーでもあったが、あくまで大元は「エイリアン2」。英語で言うとディス・タイム・イッツ・ウォー。
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小説一覧(あいうえお順) ワザップ!内部の小説一覧 タイトルはスレタイトルに準拠。 AO[AMAGH OPTION](連載中) 赤き潮風に乗って(完結) ~阿部鬼~(連載中) 新たな真犯人(完結) 新たな真犯人5 ~象潟屮次 最後の事件~(完結) ある一人の兵士の日誌(連載中) im not fool 「私は馬鹿じゃありません」(連載中) 俺んちと学校と(連載中) 歌詞を此処で公開してみる(連載中) 風とともに(連載中) 黄色い世界(連載中) 機動戦士ガンダム GUNDAM ~0094~(連載中) 機動戦士ガンダム地球連邦終焉(連載中) キューホ~救世主候補~(完結) 暮れる夢の日(連載中) 故郷の黄昏(完結) この世に死神なんてものが存在するとして(連載終了) 小説 傭兵物語(連載中) 白蜘蛛の小説(連載中) 新・光神話パルテナの鏡 エピソードZERO(完結) ソーツ..(連載中) 探偵物語 ワザップホームズ(連載終了) 天空の守り神(連載中) 投稿用スレッド(連載中) 特殊諜報部隊Human Alive(完結) ドラゴンクエストモンスターズ Original(連載中) ドラゴンスレイヤー(再編集版)(連載中) 何も無い道で蹴躓いた(連載中) 忍者クン的長続きしない短編集(連載中) 根っ子達の歌(連載中) ノット・ア・リアル・ワールド(連載中) 灰色のバス(連載中) BIOHAZARD IN CSO(完結) バイオハザード学園(完結) ハイパー学院(連載中) 鼻血のついたティッシュ(完結) PARTY・PLAN~小部隊計画~(完結) vs. ドラスラ(連載中) 光とノスタルジア(連載中) PSP2∞~紡がれる絆~(連載中) PSO2小説 カルカーロの戦士達(完結) フォーラムスレッドを作成する - ワザップ!(連載中) 復讐屋~霧山慎二~(連載中) 『ブレイカー』(連載中) Brave・Quest(連載中) ペルソナ4 ~執念という名の正義~(完結) ホアン短編集 修正版(連載中) ポケモン(自作)の小説(連載中) 魔術と科学(連載中) メタルギアピースウォーカーフィクション小説(連載中) やってみようかな小説(連載中) 雪ノ下です。だらだら書きます。雪ノ下です。(完結) ~夢~・≪ 遺伝子の脅威 ≫(連載中) yoshikimanの大冒険(連載中) *竜の伝説*(連載中) RAIZAR(休止中) LOST HOUSE(連載中) Ytsk作品集(連載中)
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859 名前:サマーフール(健二×夏希)1[sage] 投稿日:2009/09/24(木) 07 43 23 ID 5moFDrvS 夏休みが終わり、二学期が始まった。 長い始業式を耐え抜き、担任の二言三言を聞き流せば、自由が待っている。 解放された学生が夏休みの成功談、失敗談、猥談もろもろを話す中、 夏希は一人、窓際の席に座って外を眺めていた。その表情は、一言で言えば険しい。 「ねぇ夏希。あんた、何があったのよ」 「…別に何でもない」 「別にって」 どう考えても何かあったでしょうが、と同級生は心の中で突っ込む。 あと、席替えしたから、今そこ私の席ね、とも言いたかった。 学校一の人気者が、夏休み明けから明らかに様子がおかしい。 そんな周囲の心配をよそに、夏希は窓の外を見つめたまま、呟いた。 「健二君…」 860 名前:サマーフール(健二×夏希)2[sage] 投稿日:2009/09/24(木) 07 44 40 ID 5moFDrvS 話は昨日へ遡り、夏休み最終日。 夏希達は既に東京に戻っており、その日夏希は健二の部屋で二人でこいこいをやっていた。 「さぁ、こいこいよ、健二君」 「はい…」 「ふっふっふ、これで勝てばわたしの5連勝ー」 「はい…」 「そうそう、昨日ね、お父さんとお母さんが、一緒に食事できて楽しかったって。 またおいでって」 「はい…」 健二は、視線を下に向けたまま、同じ調子で返事をするだけだ。 今日は最初からどうも様子がおかしい。 「ねぇ、どうしたの。悩みがあるなら、聞くよ。さぁ、話してこいこい。 あ、これいいね。話してこいこい。こっちへこいこい。可愛い感じしない?ね?」 「はい…」 「…健二君、聞いてない」 「あ、す、すみません。聞いてます。えと、はい、可愛いと思います。」 頬を膨らませている夏希に気付き、ようやく健二が顔を上げる。 「でしょ。じゃあこれ学校で流行らせよう。昼休みに健二君を呼びに行く度に使うんだ。 健二君、お弁当一緒にこいこいって。あれ、何か使い方変だね」 健二が反応してくれた事が嬉しいらしく、夏希が矢継ぎ早にしゃべる。 しかし、健二は、また下を向いて考え込んだ表情に戻ってしまっていた。 「…もう、ホントにどうしちゃったの。健二君、今日、変」 流石にゲームを続ける気にはなれず、夏希は花札を手元に置いて、健二をじっと見る。 健二も遅れて花札を置き、ゆっくりと夏希と目を合わせる。 「すみません、夏希先輩。実はお話が…」 「うん」 「その…」 しばらく逡巡しているようだったが、やがて健二は夏希の顔を正面から見据え、言った。 「僕達、もう会うのはやめにしませんか」 861 名前:サマーフール(健二×夏希)3[sage] 投稿日:2009/09/24(木) 07 46 15 ID 5moFDrvS 夏希は、健二が何を言っているのかわからなかった。 ただ、健二が冗談を言っているのではない事はわかる。 だからこそ、あまりに唐突なその言葉の意味を理解することができなかった。 正確には、理解する事を拒絶していた。 「それって…」 言いたくない。聞きたくない。それでも夏希は確認する必要があった。 健二の冗談である可能性を信じて。夏希の勘違いである可能性を信じて。 「別れたいって事?」 「………はい」 万に一つの夏希の希望は、あっさりと崩されてしまった。 健二は本気だった。夏希の聞き違いでもなかった。 夏希は、頭が真っ白になっていきそうだった。 しかし必死に耐え抜き、やっとの思いで言葉を絞り出した。 「どうして…」 夏希の目は健二を見つめたままだ。対する健二は再び視線を下げ、小さく語りだした。 「…もうすぐ、学校が始まるじゃないですか。そこで、二人で会ってるのを誰かに見られたら、 僕らの事、すぐに皆に知られちゃうと思うんです。それは、その、困るんです」 「…」 「先輩、人気あるんです。付き合いたいって思ってる人、沢山います。 そこで僕なんかが先輩と一緒にいるって知れたら、何されるかわかんないですよ」 「…」 「それに、やっぱり僕と先輩じゃ不釣り合いですよ。先輩には、もっといい人がたくさんいると思います」 「…じゃあ、私と一緒にいるとこを見られたくないから、別れたいって事? 私のせいで迷惑するから、別れたいって事?」 「………そうです」 夏希の中に、怒りが湧き上がっていた。 それは、健二が告げた別れの理由があまりにも身勝手だったから、ではない。 健二が言っている事が、ウソだと夏希にはわかっていたからだ。 健二がウソをついて夏希と別れようとしている。その事が、夏希には許せなかった。 「ウソ…つかないでよ」 「え?」 「何で?何でそんなウソつくの。健二君、そんな人じゃない。 私の事がもう好きじゃない?だったらそう言ってくれればいいじゃない」 「ちがっ…」 「じゃあ何で!」 「ですから…さっき言った通りの、理由です」 「そんなわけない。健二君、本当の事言って。私に悪いところがあるなら、ちゃんと言って」 「そうじゃありません。夏希先輩に文句なんかないです。僕が付き合っていく自信がないだけです」 「ウソツキ!」 「本当です。理由は、それだけなんです」 862 名前:サマーフール(健二×夏希)4[sage] 投稿日:2009/09/24(木) 07 47 25 ID 5moFDrvS 夏希は泣きそうだった。健二は俯いたままだ。 沈黙が流れる。先に口を開いたのは夏希だった。 「そんなわけない。健二君は…健二君は、おばあちゃんが認めた人なんだから。お願い健二君、本当の事言って」 ここで栄の事を出すのは卑怯だとわかっていた。 それでも、夏希は最後の望みにかけずにはいられなかった。 「それはきっと…おばあさんが見誤ったんだと思います」 健二の心は、動かなかった。 夏希はもう、健二の本心を聞き出すことはできないと悟った。そして、別れようという決心が揺らがない事も。 「…そっか。うん…。うん、わかった。ごめんね、健二君に迷惑かけられないもんね」 「…」 「じゃあ、私、帰るね」 「…」 夏希が部屋からいなくなる。 部屋の中には、勝負の付いていない2人分の花札と、健二が1人取り残されていた。 863 名前:サマーフール(健二×夏希)5[sage] 投稿日:2009/09/24(木) 07 48 43 ID 5moFDrvS 「ただいま…」 「え、何、もう帰ってきたの?夏希の分のご飯作る予定なかったのに」 「いいよ、ご飯いらないから」 「ええ? あんた、熱でもあるんじゃないの」 母親の訝しげな目を無視して、夏希は自分の部屋に戻った。 「あ!花札、置いてきちゃった…」 夏希は忘れ物を思い出したが、今更戻る事もできない。 あれは栄が夏希にくれた、お気に入りの花札だったのに。 「もう、何なのよ。もう…もう」 健二が、あんな自分の都合で別れたいなんて、考えるはずがない。 だから、健二の言った事は事実ではないのだろう。 だが、結局、それは、夏希に言えない理由が別にあるだけで、別れたいという事実は、変わらない。 「もう…どうしよう…」 いつもは帰ったら勉強机に向かう事を習慣付けている夏希だが、今日は勉強どころではない。 夏希はそのまま、ベッドへと倒れ込んだ。 健二を、失ってしまった。 最初は受け入れきれずに苛立っていた夏希だが、今やっと現実のものとして認識し始めた。 「やだ…やだよぉ」 健二の部屋で我慢していた涙が溢れ出す。流れた涙は、ただ布団に吸い込まれていくだけだった。 864 名前:サマーフール(健二×夏希)6[sage] 投稿日:2009/09/24(木) 07 50 12 ID 5moFDrvS 「なーつきぃ、今日ミスド行く?」 「…いい」 「じゃあ、マックは」 「…いい」 「もう、付き合い悪いよー」 「…ごめん」 結局その後夏希は、健二に会うことも、連絡を取ることもできなかった。 積極的に思われがちな夏希だが、こと恋愛に関しては健二にも引けを取らないほど臆病だった。 昨日の夜から今まで夏希は、ずっと考えていた。健二が話していない、本当の理由とは何だろう。 栄は、夏希のことをわがままで世間知らずだと言っていた。 夏希自身も自覚はあるが、そんな性格が、健二は嫌になったのだろうか。 それとも、もしかしたら本当に、一緒にいると健二の身に危険が及ぶからなんて理由なのだろうか。 そんなはずない、と思っていた夏希だが、考えるほどに段々自信がなくなってきていた。 「夏希、よくわかんないけどさ、元気出しなよ」 「そうそう、カラオケでも行ってさ、パーっと歌わない?」 「篠原さん、実家にミサイル落ちてきたんでしょ?そん時に変な放射能とか浴びちゃった?」 いつの間にか夏希の友人が、夏希を心配して集まっていた。 夏希狙いの男子も、便乗して集まってきている。 「おいおい、篠原暗いなぁ。篠原の笑顔見る為に学校来てんのに」 「いや、俺は篠原さんの憂えた顔もまた美しいと思う」 「俺が励ましてやるよ、さあ夏希ちゃん、俺の胸に飛び込んできてごらん!」 「とりあえず、セックスしようぜ!」 「サイテー、男子死ね」「うっせ、ブス消えろ」「何だとコノヤロー!」「うわぁ、ジャイ子が怒ったー」 クラスメートが夏希の周りで騒ぎたてる。 色々と思惑はあるが、皆、夏希を励まそうとしてくれている。その心遣いが夏希は嬉しかった。 「みんな、ありがとう。ごめんね、何でもないんだ、ホント」 これ以上、皆に迷惑をかけられない。そう思い、夏希は無理にでもいつも通りに振舞おうと笑顔を作った。 その時、夏希は何か引っかかるものを感じた。 「迷惑を…かけたくない…から?」 健二は言っていた。夏希といることで健二が迷惑する。だから別れたいと。 しかし、実際は、全く逆の事を健二が考えていたとしたら。 健二といる事で、夏希に迷惑がかかる。そう考えたんだとしたら。 それは…もしかしたら…。 「ごめん、ちょっと出て来る!」 「夏希?」 言うと同時に、夏希は教室を飛び出し、屋上に繋がる階段を最上段まで駆け上った。 ここは、生徒や教師が滅多に寄りつかない場所だ。 夏希は携帯電話を取り出し、発信履歴から「お母さん」の文字を見つけ、ダイヤルボタンを押した。 「はいはい、夏希?どうしたのあんた、学校じゃないの?」 「うん、いま学校からかけてる。あのね、お母さん、正直に答えてほしいんだけど」 「なぁに?」 「一昨日、健二君と一緒にご飯行ったでしょ。 その時、私途中で電話来て席外した時あったけど、その時に健二君に何か言った?」 865 名前:サマーフール(健二×夏希)7[sage] 投稿日:2009/09/24(木) 07 52 20 ID 5moFDrvS 思えば、健二の様子がおかしくなったのは、ちょうどその食事があった頃からではないか。 そして、その次の日に別れ話を切り出された。何かあったとしたら、きっとここに違いない。 「ええ?どうかしら…。ああ、そう言えば」 「何!?」 「あんた達まだ全然進展してなさそうだったから、夏希ってああ見えてなかなかおっぱい大きいから、 楽しみにしてなさいって言ったわね。あの子、顔真っ赤にしてわよアハハ」 「よ、余計な事言わないで!じゃなくて!他には?」 「もう、そんな急かさないでよ。あ、そうそう、あんたが東大受けるって話を お父さんがしてたわね。毎日勉強してんだようちの娘はーなんて、酔っ払ってたわねあれは」 …やはり、そうだった。健二は知ったのだ。 「あんた健二君に何も話してなかったんでしょ。あの子、すごく驚いてたわよ。 お父さんも調子乗っちゃって、夏希は大おばあさんのような立派な人間になるのが夢なんだって 熱く語ってたわ。娘の夢を熱く語る父親って、何か気持ち悪いわよねぇ」 「…わかった。ありがとう、お母さん。もうすぐ授業始まるから、切るね。 あ、それから今日の晩御飯、しそ納豆とレバニラ炒めが食べたいな」 「用事ってそれだけ?はいはい、わかったわ。じゃあね」 電話が切れた。夏希が大きく息を吐く。 間違いない。健二が夏希から身を引いたのは、父から夏希の事を聞いたからだ。 『大おばあちゃんのようになりたい』という、曖昧で漠然として子供のような、でも確かな、夏希の夢。 栄のようになるには、高い目標が必要になる。そう考えた夏希は、とにかく東大を目指してみようと思った。 単純すぎる、と笑われたり、侘助の真似したいだけでしょ、とからかわれたりした。 でも、健二は違った。夏希の夢を叶える為に、自分ができることを必死に考えたのだろう。 そして健二が出した結論は、自分にできる事は何もないということだった。 だったらやれる事は一つだ。負担になるだけの自分が、消えればいい。 「そんなの…そんなの違うじゃない」 そう、違う。健二は間違っている。 それを健二もわかっているから、彼はウソをつくしかなかった。 間違っていると知りながら、その選択しかできなかったのだから。 「バカ…バカバカバカバカ。健二君の、バカ!」 考える暇なんかない。健二に電話をかける。同時に、健二のクラスに走って向かった。 だが、健二のクラスも既に終わったらしく、教室に健二の姿は見当たらなかった。 電話も、電源が切れているらしく、繋がらない。 夏希は、突然教室に入ってきた上級生に呆気にとられている健二の同級生に詰め寄った。 「健二君、もう帰った!?」 「え?あ、こ、小磯なら、ついさっき帰りましたけど…」 「ありがとう!」 まだ間に合う。今度は昇降口までの道のりを全速力で駆け抜ける。 そのまま靴もはき替えずに校庭へと飛び出す。 「もう…っ。どこに…いるの…」 校庭は、学校帰りの生徒達で溢れている。健二がこの中にいるのかどうかすらわからない。 それでも夏希は走った。健二を探しながら。そして。見つけた。正門を通ろうとする、健二の姿を。 866 名前:サマーフール(健二×夏希)8[sage] 投稿日:2009/09/24(木) 07 56 30 ID 5moFDrvS 「健二君!」 まだ声が届くような距離ではないが、夏希は思わず健二の名を呼んだ。 近くにいた学生が一斉に夏希の方を振り向く。健二は気づいていない。 走り続けながら、もう一度名を呼ぶ。 「健二君!」 ちょうど正門を通り切ったところで、健二の歩みが止まる。 そして、夏希の方へと振り返った。 「夏希…先輩」 健二と目が合う。 たった一日、いや半日程度会わなかっただけなのに、長年会えなかった人と再会できたような気持だった。 もっと、もっと近づきたい。もっと。 夏希が健二に向かって駆けてくる。そして、立ち止まらない。スピードも全然落とさない。 「ちょ…先輩!止まっ」 抱きつく…というよりタックルと呼ぶ方が相応しい抱擁を受け、支えきれずに健二は倒れ込む。 夏希は完全には倒れ込まず、マウントポジションをとるような形になっていた。 「健二君」 「な、夏希先輩…どうして」 「健二君、ごめん。ごめん…」 夏希は馬乗りになったまま、健二に謝罪の言葉を繰り返す。 「ちょ、先輩…」 「ごめん」 「いや、その…」 「ごめん」 「できれば、どいてもらえると…」 「やだ」 「えぇ?いや、今、間違いなく見られてます!色んな人に見られてますって!」 「やだ」 「だ、だめですってば。言ったじゃないですか。その…」 「…」 「…迷惑なんです」 「…関係ない!」 「え…」 「迷惑とか関係ない!そうでしょ!?健二君のウソつき!バカ!数学オタク!」 「え、え、ええと…」 夏希が泣きながら健二にしがみつく。 「絶対、絶対離れない。健二君がどれだけ私の事迷惑に思っても、私は離れないから」 「先輩……」 「だから健二君も離れないで。私の為なんて理由で、離れていかないで。…一人にしないで」 「………」 「お願い…」 夏希は健二の胸に顔を埋めて体を震わせている。 健二はしばらく夏希を見つめていたが、やがて、ゆっくりと空を見上げていった。 空は雲一つなく、どこまでも青い世界が続いていた。 867 名前:サマーフール(健二×夏希)9[sage] 投稿日:2009/09/24(木) 07 58 07 ID 5moFDrvS 「…先輩。僕は先輩のそばにいて、何ができるのか、わからないんです」 夏希がその言葉に顔を上げると、健二の頬に、涙が一筋つたっていた。 「悔しいんです、とても…。でも、どうしても…どうしても…わからなくて…」 本当に悔しそうに、苦しそうに語る健二のその姿が、愛おしい。 これなのだ、と夏希は思う。健二の事が好きだと思う、一番の理由。 自分を悪者にするウソをついてまで、夏希の為に離れようとする健二。 自分の為ではなく、誰かの為に、考え、苦しみ、涙を流せる健二。 そんな健二だから、そばにいたい。支えてあげたい。愛されたい。 夏希は、健二の胸に耳をつけて、そっと目を瞑った。 「健二君なら、何でもできるよ。だって、世界救ってるでしょ」 「い、いやそれは」 「私は信じるから。健二君なら何度でも世界を救える。他の誰が信じなくても、私だけは信じてる。 それに、私の事誰よりも信じてくれてるのも、やっぱり健二君だから。だからそばにいたいし、いてほしい。 ううん、やっぱそんな理屈とかよりも、好きな人とずっと一緒にいたいから。健二君もまだ私のこと好きなら、 そばにいてほしい。それじゃ…ダメ?」 「せん…ぱい」 「好きよ、健二君。大好き」 「……僕も、です」 健二が夏希の頭に手を置こうとした。その時、 「あー、お前ら、とりあえずそこまでな」 いつの間にか、健二と夏希のそばに教職員が立っていた。 健二と夏希は状況を思い出し、慌てて立ち上がる。 見てみれば、校内の全ての人間の視線が、二人に集まっている。 皆、遠巻きに一体これは何なんだと呆気にとられている。 一人だけ、遠くでにやにや笑っている人間もいた。佐久間だ。 「学生の恋愛は自由だが、まぁ、俺も聖職者として、一応風紀上止めなきゃならん立場なわけだ」 教職員が、邪魔してすみませんねぇ、といった口調で話す。 「はい…」 「すみませんでした…」 健二も夏希も俯いたまま、顔を真っ赤にしている。 「以後気をつけるように。それから、小磯、お前は別の意味で以後気をつけるように」 そう言って教職員はさっさと校内に引き返してしまった。 868 名前:サマーフール(健二×夏希)10[sage] 投稿日:2009/09/24(木) 08 00 39 ID 5moFDrvS 「何か、すっごい恥ずかしい事しちゃったね」 「そ、そうですね……あ!」 「え?どうしたの?」 「先輩…逃げましょう」 「え?」 健二は気付いた。さっきまで呆気に取られていた学生達の瞳に、徐々に色が戻り始めている。 好奇と、嫉妬と、憎しみの色が。 健二が後ずさりを始める。しかし、夏希の方はまだ状況に気付いていない。 「先輩、は、早く」 「何が?え?え?」 健二が更に校門の外側へと下がっていく。 一歩。一人の学生の足がゆっくりと前に出る。 ずしゃあ、と砂ぼこりが舞うような、偉大な一歩だ。 つられるように他の学生の足も動き出す。その数がだんだんと増え、徐々にスピードが早まっていく。 「こぉいぃそぉ」 「こ……の……や…ろう」 「いったい…」 「ひいいぃぃぃ」 健二が一気に数歩下がる。 「どういう事だああああああ!!」 号令を合図に動き出す兵隊さながら、全員が一斉に健二達に向かって駆けだしてくる。 「うわ、うわわわわぁ!」 捕まれば殺される。健二は体を反転させて逃げの体制をとる。 しかし、夏希はまだ動けずにいた。生徒達の突然の行動に、反応しきれなていないのだ。 夏希を置いていくわけにはいかない。でも、既に夏希との距離が開いてしまっている。 どうにか夏希を動かさなければ。 「先輩!」 「け、健二君…」 「先輩、こいこいです!」 精一杯手を伸ばして、健二は叫んでいた。 それは昨日、夏希がいいねと言っていた、あの言葉だ。 「…うん!」 夏希が、差し出された健二の手をしっかりと握る。健二も夏希の手を強く握りしめ、走り出した。 869 名前:サマーフール(健二×夏希)11[sage] 投稿日:2009/09/24(木) 08 01 43 ID 5moFDrvS 何だか変な状況になったな、と夏希は走りながら考えていた。 結局二人の問題は、言ってしまえば解決していないような気もするし、 これからもすれ違いや喧嘩を繰り返すことになるかもしれない。 そしていつかは、やはりこの手を離さなければならない日が来るのかもしれない。 「先輩!」 「え?」 「手、絶対離さないでくださいね!」 このタイミングで健二からこの言葉が出たのは、ただの偶然だろう。しかし、夏希の小さな不安は、 その一言で、今日の青空に溶けていってしまえるような、そんな気がした。 だから、夏希は満面の笑みで応えた。 「うん、絶対、絶対離さない!」 ~完~ 870 名前:サマーフール(健二×夏希)12[sage] 投稿日:2009/09/24(木) 08 03 32 ID 5moFDrvS おまけ~篠原家の食卓~ 「…なぁ、雪子」 「なぁに?」 「今日の夕飯なんだが、何でしそ納豆とレバニラなんだ」 「何でって何が?」 「お前、私がしそも納豆もレバーもニラも大嫌いだって…知ってるよな?」 「あら、そうだった?夏希が食べたいってリクエストしたのよ」 「…夏希は…」 「今日は健二君とご飯食べてくるからいらないんですって」 「……」 その夜、和雄はひっそりと泣いた。流れた涙は、ただ布団に吸い込まれていくだけだった。 ~おまけ・完~
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【TOP】【←prev】【DISK SYSTEM】【next→】 HALEY WARS タイトル HALEY WARS ハレーウォーズ 機種 ディスクシステム 型番 TFD-HAL ジャンル シューティング 発売元 タイトー 発売日 1989-1-14 価格 3300円 【TOP】【←prev】【GAME GEAR】【next→】 HALLEY WARS タイトル HALLEY WARS ハレーウォーズ 機種 ゲームギア 型番 T-11027 ジャンル シューティング 発売元 タイトー 発売日 1991-6-21 価格 3800円(税別) ハレーウォーズ 関連 Console Game FDS HALEY WARS Handheld Game GG HALLEY WARS 駿河屋で購入 ファミコン(ディスクシステム) ゲームギア
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【TOP】【←prev】【FAMILY COMPUTER】【next→】 STAR WARS タイトル STAR WARS スターウォーズ 機種 ファミリーコンピュータ 型番 ジャンル アクション 発売元 ナムコ 発売日 1987-12-4 価格 4900円 【TOP】【←prev】【FAMILY COMPUTER】【next→】 STAR WARS タイトル STAR WARS スターウォーズ 機種 ファミリーコンピュータ 型番 ジャンル アクション 発売元 ビクター音楽産業 発売日 1991-11-15 価格 6700円(税別) スターウォーズ 関連 Console Game FC STAR WARS (ナムコ) STAR WARS (ビクター) スター・ウォーズ 帝国の逆襲 SFC SUPER STAR WARS SUPER STAR WARS 帝国の逆襲 SUPER STAR WARS ジェダイの復讐 MCD STAR WARS REBEL ASSAULT 32X STAR WARS ARCADE 3DO STAR WARS REBEL ASSAULT PS STAR WARS REBEL ASSAULT II STAR WARS DARK FORCES STAR WARS MASTERS OF TERAS KASI STAR WARS エピソード1 ファントム・メナス N64 スター・ウォーズ 帝国の影 STAR WARS EPISODE I RACER スター・ウォーズ 出撃 ! ローグ中隊 GC STAR WARS ROGUE SQUADRON II STAR WARS THE CLONE WARS STAR WARS ROGUE SQUADRON III XBOX XBOX WORLD COLLECTION STAR WARS JEDI KNIGHT JEDI ACADEMY Wii LEGO STAR WARS THE COMPLETE SAGA STAR WARS THE FORCE UNLEASHED WiiU LEGO STAR WARS フォースの覚醒 Handheld Game GBA LEGO STAR WARS 駿河屋で購入 ファミコン ナムコ版(箱説あり) ファミコン ビクター版(箱説あり)
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CRFスターウォーズ ダース・ベイダー降臨 CRFスターウォーズ ダース・ベイダー降臨 メーカー SANKYO タ イ プ 確率変動デジパチ 継続 回数 2Ror15R9カウント 大当り確率 1/346.8 高確率時1/34.7 時 短 全ての大当り終了後100回 連荘率 65% Pワールド
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最近サマーウォーズをみたよ めちゃくちゃ面白かったぞ!!! やばい!!! それから・・・ やはり私って脳みそが腐ってるなーっておもったんだけど・・・ それをみた後すぐにサマーウォーズの主人公受けにはまってしまいました!! ということで今週の日曜日か月曜日ぐらいにサマーウォーズで小説を書きたいなっておもってます とゆうことでよろしくです 戻る -
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こちらはリレー小説です。さまざまな方々がキャラを出し合い物語りを作っていきます。 自由へ… Diginoid Armys ほのぼの(?)学園生活 国立電脳学園 デジモンウォーズ
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マーウォルス・トルーパーとは、チルノ・トレバーによって強化処理を施された戦闘兵士の事である。見た目はゲーム『Haloシリーズ』に登場するスパルタンソルジャーと同じでコルサント星系軍兵士やクローン・トルーパーの中でも抜きん出た能力を持つ者・・・又は志願者で構成されている。壮絶な苦痛を伴う強化処理手術と厳しい訓練をくぐり抜けた者のみがマーウォルス・トルーパーになれるのだが、最初の強化処理手術の時点で苦痛に耐え切れず死亡する兵士が後を絶たず、生き延びても訓練の段階で脱落、或いは死亡する者も多いので確率は3割以下である。非常に危険な加入条件をパスした兵士逹は正式にマーウォルス・トルーパーの一員となり、超高性能なパワードスーツを着る事が許され、戦地へ投入される。当然ながら戦闘力は高く、あるマーウォルス・トルーパーは一人で分離主義勢力の軍団を殲滅する戦果を挙げている。元々高かったチルノの名は更に銀河中に鳴り響いたが、このマーウォルス・トルーパーこそがチルノの科学者しての歪さを表しているのだと口にする者も確かに存在するのだ。 登場作品 スターウォーズ氷帝伝 小説版 スターウォーズ氷帝伝 外伝 ジ・レクイエム 魔法中年リリカルウェンディック!?